ー1989年1月1日、Mr.Childrenを結成。
元々は桜井さん、田原さん、ナカケーの3人でTHE WALLSと名乗っていた3人。
そこからドラムにJENを迎えたこと、レコード会社のオーディション入賞を果たせなかったこと、年末も差し迫ったことを機会に、バンド名を改めることになりました。
練習スタジオの近くにあるロイヤルホストに集まった4人。
アイディア出しのため当時メンバーが好きだったものを持ち寄ったところ、偶然にも“チルドレン”にまつわるモチーフが揃ったそうです。
・U2のアルバムジャケットに子供の写真が使われていた
・The Missionの2ndアルバム『Children』が好きだった
・『世界の子供たち』という写真集に感動した
ただ、“チルドレン”だけでは子供っぽすぎるだろう…ということで、反対の意味である“ミスター”を頭にくっつけました。
その結果、Mr.Childrenというバンド名が誕生。
キリよく年明けの1989年1月1日に結成としました。
というわけで!
Mr.Childreのバンド名の由来を辿るシリーズ。
第一回目はU2のアルバムの中から『Boy』を紹介!
ミスチルがU2からいかに影響を受けているかは以前にも紹介したんですが(↓)バンド名もU2からがっつりインスピレーションを受けています。
“Mr.Children”の由来となった子供ジャケット
U2 / Boy
1980年にリリースされたU2のファーストアルバム『Boy』。
何も身に纏っていない少年が真っ直ぐな瞳でこちらを見つめてくる、純白さが印象的なジャケットです。
*実はこのジャケット、リリース当時のアメリカ盤ではメンバー4人の写真に差し替えられています。上半身裸の少年が写っている…ということから小児性愛を想起されると言われてたからだそう。
*ジャケットの男の子の名前はピーター・ローウェン。ボーカル・ボノの友達の弟で、その後のU2のアルバムジャケットにも登場します。
アルバムのテーマ「少年が大人になっていくこと」
アルバム『Boy』のテーマは「少年が大人になっていく」こと。
少年が男らしさへと成熟していくなかで、次第に無垢な気持ちを喪失していく…
そういった心理変化を描いたアルバムです。
70年代のパンクブームの名残も感じられるんですが、冷たいサウンドが響くなかで昂っていくボーカルがナイーヴな世界観を作っています。
収録曲紹介
1. I Will Follow
ボーカルのボノが、14歳の時に亡くした母親へ捧げた曲。
テーマは「母親が子供に対して抱く無償の愛」。
母親の元を離れ、独り立ちしていく少年の様子が歌われています。
2. An Cat Dubh
ケルト語で『黒猫』を意味するこのタイトルは、小悪魔な女性を比喩したもの。
セクシュアリティをテーマにした曲です。
(ギターのリフがDISCOVERYっぽくないですか?)
3. A Day Without Me
直訳すると、“僕がいなくなった日”。
僕がいなくなった世界はどう見えるだろう…という俯瞰的な妄想を描いた曲。
4.The Electric Co.
The Electric Co. (エレクトリックカンパニー)とは電力会社のことですが、ここでは“電気ショック療法”という俗語を意味するそう。
自殺未遂を図った友人が精神病院に運ばれ、そこで電気ショック療法を受けた…という経験から作られた曲です。
他にも、
『Twilight』では大人になっていくことに対する漠然とした不安を歌っていたり、
『Into the Heart』では子供の成熟とともに純粋さを失っていくことをテーマにしていたり、
『Stories for Boys』ではテレビや映画の中のヒーローへの憧れを歌っていたりと、
アルバム全体を通して子供と大人の間の微妙な気持ちの変化、環境の変化を歌っています。
“子供(Children)”からインスピレーションを受けただけでなく、大人を意味する“Mr.”をくっつけたのも、U2が好きだったメンバーにとって自然な流れだったんじゃないかなって思います。
おまけ:ベストアルバムの子供
U2のベストアルバムにも、『Boy』と同じ少年が登場する子供ジャケットがあります。
『The Best of 1980-1990』『The Best of 1990-2000』のタイトル通り、U2の歴史を年代ごとに収めたアルバムです。
ミスチルで言う『肉ベスト/骨ベスト』『ミクロ/マクロ』みたいなコンセプトです。
ミスチルのルーツを辿ろうと、私が初めて買った洋楽CDがU2のこの2枚のベストアルバムでした。
たぶん中学生の頃…?だったので、それまで日本の音楽では体験したことのなかった空気感に圧倒されながら聴いていましたね〜!
U2はせめてこれだけ聴いておけ!な曲ばかりなので、入門編としておすすめのベストアルバムです。