“Mr.Children”というバンド名の由来となったネタを辿るシリーズ、第三回目です。
バンド名を決める際、当時メンバーが好きだったものを持ち寄ると偶然にも“チルドレン”にまつわるモチーフが揃った…というエピソードがあります。
・U2のアルバムジャケットに子供の写真が使われていた
・The Missionの2ndアルバム『Children』が好きだった
・『世界の子供たち』という写真集に感動した
今回はその中から、The Missionの『Children』というアルバムを紹介します。
第一回目から読みたい方はこちら(↓)
“Mr.Children”の由来となったThe Missionのアルバム
たぶんこれ、私たちがイメージするMr.Childrenとのギャップが一番激しいと思います(笑)
チルドレン…
子どもたち…
一体どんな可愛らしい天使がいるアルバムなんだろうと思ったら…
Children
そ、想像してたのと全然違うんですけど…!!!???
確かに少年の顔が写ったアルバムではあるけども…!!
この無機質感がなんとも不気味なジャケットです…
はい。
ジャケットからなんとなく雰囲気が伝わってくるかもしれませんが、ジャンル的にはハードロック、ゴシックロックになります。
The Missionってどんなバンド?
The Mission(ザ・ミッション)は1986年に結成されたイギリスのゴシックロックバンド。
*アメリカではThe Mission UKの表記。
元The Sisters of Mercy(シスターズ・オブ・マーシー)のメンバーであったウェイン・ハッセイを中心に結成。相次ぐメンバーの脱退、活動休止をしながら現在も活動中。
ゴシックロックとは、マイナーキーや暗い曲調をテーマにしながら、ロマン主義など知的なものも扱う、といったジャンルになります。
The Mission / Children
88年リリースの2ndアルバム。
元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズがプロデューサーとして参加。
耽美でメロディアスなボーカル、重層的なストリングスが効いていて壮大な世界観を作り出しています。
代表曲紹介
20年に再録もされた『Tower of Strength』
元は1988年にリリースされた曲ですが、2020年に『TOS2020』というタイトルで再レコーディングされました。
この再録を行うにあたり、ゲイリー・ニューマン、マーティン・ゴア(ディペッシュモード)、アンディ・ルーク(ザ・スミス)など様々なアーティストをゲストに迎え、「ReMission International」というバンド名を名付けました。
このシングルの収益金はCovid-19関連の慈善団体、医療従事者へ全額寄付されたそうです。
『Tower of Strength』とは、「頼れる人、強くて信頼できる人」の意味。
“転んだとき、あなたが立ち上がらせてくれるんだ”
“暗闇にいるとき、あなたが明るく照らしてくれるんだ”
打ち負かされることなく、力強く立ちあがろうという前向きな一曲です。
コロナによるパンデミックの中、今こそ立ち上がる気持ちを思い出そうとこの曲を再録に選んだのも頷けます。
エアロスミスのカバー『Dream On』
ん?なんか聴いたことあるぞ…と思ったら、さりげなくエアロスミスのカバーを入れてます。
原曲は73年にリリースされたエアロスミスの1stアルバム『Aerosmith(邦題:野獣生誕)』に収録。
*エアロスミスといえば『Everything(it’s you)』の仮タイトルが『エアロ』という小ネタがありましたね
The Mission、ミスチルの音楽性とは随分かけ離れてる…と思いきや、JENのドラムのルーツを感じるんですよね。
でしゃばりすぎず、曲の世界観を広げるようなどっしり構えたタム回し。
ハードロックをよく聴いてたっていうJENが好きだったんじゃないかなって思います。
にしてもこのバンド、日本語での情報があまり出てこない…
イギリスやヨーロッパでは根強い人気があるんでしょうね。
最後にオリジナルアルバムを出したのは2016年ですが、20年にチャリティシングルをリリース、21年には英国ツアーを行ったりベストアルバムを出したりするなど、今でも地味に活動されています。